マドマドレ - 札幌マドレーヌ本舗

北海道初?

産学官金農福連携で
食の課題解決に挑戦

米粉のまどれーぬ りんご味

産学官金農福連携とは?

産学官金連携は、例えば、企業の新製品・新技術の開発や技術的課題を解決するなどのために、大学・ 高専や公的研究機関の研究者から技術指導を受けたり、研究者と一緒に共同研究な どを行う取組に、産業支援機関や金融機関が、窓口相談や情報提供、伴走支援など一緒 になって取り組むことを言います。大学や研究機関等が持つ研究成果、技術やノウハウを民間企業が活用し、実用化や産業化へと結びつける仕組みのことです。

企業(産)、大学・研究機関(学)、行政(官)の三者が連携して行う共同研究を指す場合や、企業と大学の間を行政が結びつけるケースを指す場合があります。それぞれにあった連携方法を活用し、企業が自らに不足するものを補うことで、技術力の強化や企業戦略の構築に役立てるものです。

農福連携は、障害者が農業分野での活躍を通じ、自信や生きがいを持って社会 参画を実現していく取組。 農福連携の取組は、障害者の就労や生きがい等の場の創出となるだけでなく、農業就業人口の減少や 高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながるものです。

産学官金農福連携イメージ
産学官金農福連携
札幌マドレーヌ本舗マドマドレ・株式会社HYK
札幌国際大学短期大学部総合生活キャリア学科
食育プロジェクト
札幌市役所まちづくり政策局・
札幌ふるさと納税返礼品に出品
北洋銀行厚別中央支店・
北洋銀行ECモール「collesho」に出品
株式会社北海道アグリドリーム・余市町 果樹栽培
(りんご・さくらんぼ・ぶどう等)
就労継続支援b型事業所ベジタブル・株式会社HYK

今回は、その産学官金連携と農福連携を全て合わせた連携になります。
私が調べた限り、全国で、もちろん北海道で産学官金農福連携の実例は1件も見当たりませんでした。
食の困った(フードロス、地域課題)を各関係機関がパートナーシップを結び、それぞれの得意分野を活かして産学官金農福連携して、課題解決への糸口を探る、がテーマになります。札幌国際大学短期大学部 総合生活キャリア学科 食育プロジェクトを中心に、株式会社HYKがサポートする形で物事が進んでいきます。

連携で課題解決にアプローチ

始まりは、2023年9月頃㈱HYK 事業所ベジタブル(福)に余市町の(株)北海道アグリドリーム(農)から年々、気象の状況の変化、特に今年は猛暑の影響もあり、りんごの規格外品の扱いに困っている。との話しが入ったところからでした。色づきや出荷のサイズに満たない程度の規格外品は食用として販売が可能です。しかしそれ以外は主に加工用か、キズや腐れがあるようなりんごは廃棄するしかないそうです。

当社では、約10年前から規格外りんごを他農家さんより仕入れて、乾燥りんごやりんご茶等として製造販売してきましたが、直接農場から大量の規格外品を仕入れて商品化する程、販売数は見込めませんでした。しかし、生産者から「せっかく育てたりんごを自らの手で廃棄するのはつらい」という悲痛な声を何度も耳にするうち、居ても立っても居られなくなりました。そこで、当社が北海道アグリドリームの生産したりんご全32tのうち、規格外品8tの中から食用として販売出来ないりんご(今期は500kg)を目標に仕入れることにしました。この連携によって、廃棄するりんごが少しでも減り、また北海道アグリドリームの永続的な営農に少しでも貢献することができればとの思いからでした。
北海道アグリドリームとは  
https://h-agridream.jp/

一方、当社では、仕入れた大量の規格外リンゴをどのように商品化するかが課題でした。りんごをパウダーにさえ出来れば、当社の主力商品であるマドレーヌ(米粉のまどれーぬ)として商品化することが出来ます。しかし、約10年前から規格外りんごを他農家さんより仕入れ、5年以上もりんごパウダーの研究開発に挑戦してきましたが、ことごとく失敗してきた経緯がありました。今回、一から全てを調べ直し、再度試みたところ、生産者の思いが伝わったのか奇跡的にりんごのパウダー化に成功しました。このリンゴをパウダーにする作業を事業所ベジタブルに担っていただくことで、福農連携による「りんごパウダー入りマドレーヌ」の商品開発が可能となりました。

続いて産学連携、そして官金連携

商品化の目途がついたので、当社が2022年より「食育プロジェクト」でパートナーシップを結んでいる札幌国際大学短期大学部総合生活キャリア学科に食育プロジェクトとして取り組んでもらえるよう協力をお願いしました。今年度は、すでに「牛乳廃棄問題」をテーマに学習研究を進めてこられましたが、この「規格外りんご問題」についてもご理解をいただき、プロジェクトの一環として取り組んでいただけることになりました。産学連携の始まりです。

次に、商品の販売ですが、当社は札幌市ふるさと納税返礼品提供事業者なので、地域貢献の一環として、インターネット販売を活用したふるさと納税返礼品として販売することにしました(2024年6月以降予定)。また、今回連携している「食育プロジェクト」の学生さんに、ふるさと納税制度のしくみについて学ぶ機会を提供できないかと考え、札幌市役所まちづくり政策局に出前講座をしていただくこととしました。

さらに、ネット販売の一貫として北洋銀行と連携し、同行のECモール「collesho」でも販売することにしました。学生さんには、実際に運営されるネットショップのページ製作に関わってもらうことで、教科書の中だけとは違った社会への参加体験をしていただき、将来への糧としていただければと考えました。

このように産・学・官・金・農・福連携の枠組みを整え、「食育プロジェクト」を通じた食の社会課題解決を目指していく取り組みを実施する運びとなりました。

もったいない、を形に

2023年11月30日、札幌国際大学短期大学部に、食育プロジェクト学生メンバー、札幌市役所、北海道アグリドリーム、当社が集まりました。産・学・官・金・農・福連携の枠組みを通じた食の課題解決への初の取り組みです。

北海道アグリドリームはりんごについて、札幌市役所はふるさと納税について、当社は今後の流れについて講話を行ったあと、いよいよ課題解決に向けた商品作りに取り掛かりました。

まず、当社がマドレーヌを試作し、集まったメンバーに試食評価をしてもらいました。学生からは「食べたすぐからフワッとりんごの香りと風味がすごく心地よくて美味しかった。」、「もう少しりんご味を強く出していいと思った。」など、多くの意見が出ました。これらの意見を参考に、りんご味をさらに強く出せるようにその場で改良を加え、再度の試食評価を経て、ついに「りんごパウダー入りマドレーヌ」が完成しました。また、パッケージデザインも、食育プロジェクト学生メンバーと当社でデザインしました。

米粉のまどれーぬ りんご味

完成した製品は、連携先の北洋銀行ECサイト「collesho」や当社店頭を通じてふるさと納税返礼商品として今後販売していく予定です。(2024年3月予定)

米粉のまどれーぬ りんご味

廃棄されるかもしれない「りんご(もったいない)」を、「マドレーヌに(を、形に)」する取り組みは、次世代を担う方たちとフードロス削減や地域課題を一緒に考え、各関係機関が得意分野を無理することなく活かしながら、パートナーシップで課題解決に向かう、まさにSDGsだと考えています。今回は、初めてだったので500kgを目標にした規格外りんごのフードレスキューだったのですが、今後は規格外りんごの全てをパートナーシップの力でフードレスキューするのが目標です。
※「なにから、なにまで、ほっかいどう。米粉のまどれーぬ」は株式会社HYKの商標登録です。

米粉のまどれーぬ りんご味
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