マドマドレ - 札幌マドレーヌ本舗

北大ラズベリーをマドレーヌにわかめをマドレーヌに

【産学官金農福】連携で、
生産者、研究者の想いを次世代へ

米粉のまどれーぬ ラズベリー味

ラズベリーが北海道で生産されているって知っていますか?

HYK上保木聡志が北大ラズベリー®の特集記事をたまたま目にしたところから、物語は始まりました。えっ、北海道でラズベリーが作られているの?北大ラズベリー®ということは、北海道大学が作っているの?と興味が湧き、面白いなと感じました。

2024年4月5日。上保木がラズベリーのことを全然知らないまま北海道大学に連絡を入れたところ、急な問合せにもかかわらず、北大ラズベリー®について詳しく教えていただけました。そこで語られた、北海道の生産者の高齢化問題や、解決に向けてラズベリーに込めた思い。それらはまさに、HYKが常々考えている地域課題への取り組みと相通じるものでした。
私たちは、同じ方向を見つめている。
北大ラズベリー®の趣旨に強く共感した上保木は、話を聞いてすぐに「ぜひ商品化したい」と願い出ました。

余市町の栽培農家から北大ラズベリー®を仕入れ、様々な特殊加工を施し、マドレーヌ生地に配合していきます。何回も何回も試作を重ね、2024年9月、ようやく「北海道産北大ラズベリー®使用 米粉のまどれーぬ ラズベリー」が完成。北大ラズベリー®の存在を知ってから、6か月後のことでした。

【産学官金農福】連携とは

産学官にとどまらず、さらに金融機関、生産者、福祉の各関係機関が手を取り合った取り組みを、「産学官金農福連携」と呼んでいます。それぞれの得意分野を活かして、持続可能な営農や消費拡大など、地域課題の解決を図るのです。調べた限り、産学官金農福連携の実例は全国でもまだ3件目です。そして1、2件目もHYKが携わっています(1件目りんご※12件目わかめ※2)。

無理をしすぎることなく、持続可能なやり方で、パートナーシップの力で課題解決に向かう。まさにSDGsな関わりであり、挑戦です。健康経営優良法人ブライト500を取得しているHYKだからこそできる、視野の広いプロジェクトといえるかもしれません。

札幌マドレーヌ本舗マドマドレ
(株式会社HYK)
北海道大学
札幌市役所まちづくり政策局
北洋銀行厚別中央支店
砂川農園(余市町)、
株式会社豊作会農園(由仁町)
事業所ベジタブル
(株式会社HYK)

札幌マドレーヌ本舗マドマドレ
(株式会社HYK)【製造・販売】

HYKは北大ラズベリー®を使ってマドレーヌを作りました。マドマドレの看板商品である「米粉のまどれーぬ」は、小麦アレルギーの方も食べられます。また、フードロス解決という観点から、材料の米粉には割れたお米や小さいお米を活用し、パッケージを工夫することで常温で365日という賞味期限を実現しています。
そして、ラズベリーを乾燥させてパウダーにする工程は、HYKがこれまでもさまざまな食材で取り組んできた、いわば得意分野。長い年月をかけて積み上げたノウハウを持っているのです。

北海道大学【研究開発】

北大ラズベリー®を生み出したのは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの星野研究室です。
国内に流通するラズベリーの約99%は海外からの輸入品で、国産ラズベリーは1%にも満たないのが現状です。国産として栽培されている品種も、北アメリカやヨーロッパ原産のものを栽培用に改良しています。海外の品種のラズベリーは日本の気候では病気にかかりやすく、樹高が高くなるため手入れや収穫が大変で、生産者にとって大きな負担となります。
北大の星野洋一郎教授は、生産者の高齢化問題の解決策として、低木で手入れや収穫がしやすい小果樹の育成と研究に尽力してきました。北海道の気候に適応し、なおかつ風味のよいラズベリーを開発すれば、より少ない労力で付加価値の高い作物を作ることができます。そのために、北海道に自生する野生のキイチゴを海外産のラズベリーに掛け合わせることを考えました。使用したキイチゴは、クマイチゴ、エビガライチゴ、ウラジロエゾイチゴ、クロミキイチゴ。そこにラズベリーの栽培用の品種14系統を掛け合わせていったのです。開発にあたり、星野研究室で試作された品種は実に100系統以上、要した年月は15年にものぼりました。そうして、選りすぐりの四つの系統が、北大ブランドを冠した「北大ラズベリー®」と認定されました。果実は小さめながら、爽やかな酸味と甘味があり、香り高いラズベリーと評判です。

札幌市役所 まちづくり政策局【札幌市ふるさと納税返礼品情報提供】

ふるさと納税は、その地域ならではの返礼品が大きな魅力です。「北海道産北大ラズベリー®使用 米粉のまどれーぬ ラズベリー」が返礼品になれば、北大ラズベリー®の知名度が上がるとともに、札幌市への地域貢献につなげられます。そこで、HYKから札幌市役所まちづくり政策局に、ふるさと納税を活用した大学連携の取り組みについて相談しました。まちづくり政策局に作っていただいた資料を北海道大学と共有し、今後、ふるさと納税返礼品への登録を目指します。

北洋銀行厚別中央支店【北洋銀行ECモールcollesho情報提供】

多くの方に製品を知って、そして買っていただくためには、販売チャネルの多様化は大切なポイントです。特にネット通販は欠かせません。北洋銀行からは、北海道産の食品に特化したECモールのcolleshoでの販売を提案していただきました。常温で365日もつことから、もともと通信販売との相性はよいですし、それが道産品にこだわったECとくれば、「米粉のまどれーぬ」にぴったりです。

砂川果樹園(余市町)【北大ラズベリー®生産】/株式会社豊作会農園(由仁町)【お米生産】

北海道の中でも果物の生産が盛んな余市町で、北大ラズベリー®は作られています。北海道大学と余市町は、余市町の新たな地域資源の開発を目的として、2009年から連携協定を結んでいます。新しいラズベリーも、余市町と生産者と北海道大学の三者で「余市ベリー研究会」を立ち上げ、協力しあって栽培してきたものです。
「米粉のまどれーぬ」には、砂川果樹園で作られた北大ラズベリー®を使用しています。現在は認定農家が2軒のみで、生産量はまだ少ないですが、病気に強く北海道で育てやすい品種であること、年に2回収穫できることから、今後は収量が増えていく見込みです。
そして、マドレーヌの原材料である米粉のもととなるお米は、道内有数の米どころ、由仁町産。5年以上前から、豊作会農園の生産したゆめぴりかのうち、粒の小さいお米、割れたお米を仕入れています。一般に流通しないお米を有効に活用する取り組みです。

B型事業所ベジタブル(株式会社HYK)【米粉製造、シール貼り、出荷準備】

HYKが運営する就労継続支援B型事業所ベジタブルでは、マドレーヌに使われる米粉を自社製粉しています。また、ラズベリーを粉にする作業、パッケージのシール貼りなどの軽作業も、事業所ベジタブルが請け負うことで、障害のある方の就労と収入になります。HYKではこうした取り組みが永続的な営農につながると考え、農福連携に力を入れています。

どこで買えるの?

さて、商品が完成したからといってゴールではありません。お客様のお手に取っていただかなくては何も始まりません。まず、HYKの小売店舗である札幌マドレーヌ本舗マドマドレで販売します。

〔販売店舗〕

・札幌マドレーヌ本舗マドマドレ
(札幌市清田区里塚2条6丁目1-3)

北海道内にとどまらず、日本全国にお届けするため、ECサイトでも販売します。

これからの夢と挑戦

今後の販売計画として、ふるさと納税返礼品への登録を目指すとともに、越境ECで世界118か国での販売を予定しています。さらに、アメリカでの対面販売にもチャレンジします。マドマドレは2024年10月からアメリカの小売店で製品を販売しているのです。アメリカ産ではなく北海道産のラズベリーが、アメリカに旅立ったら、驚かれるかもしれませんね。
北海道を代表する学術機関で15年もの歳月を経て誕生した北大ラズベリー®。その小さな赤い実は、研究者たちの学びと模索の結晶であり、生産者の方々が農業を続けるための夢です。このマドレーヌで北大ラズベリー®がより多くの方に知られ、販売することができれば、それは北海道大学がさらなる研究と開発に取り組み、生産者が北大ラズベリー®を作り続けることにつながります。素晴らしい資源を次世代に残していく一歩が、この、ほんのり赤く染まったマドレーヌなのです。物語は、まだまだ続いていきます。

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